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こんにちは!
ぽんコーチです。
テニスの試合で左右に振られ、ただボールを拾うだけでポイントが終わってしまう…。
自分のテニスをさせてもらえず、自分だけがヘトヘトになっていく。
まさにタイトル通り「地獄」のような時間ですよね。その辛い気持ち、僕も痛いほどわかります。
でも、安心してください。
その苦しい展開は、あなたの才能や体力のせいではありません。
実は、振り回されてしまうのには明確な原因があり、それを解決するためのシンプルな戦術が存在するのです。
僕自身も、かつては同じ悩みを抱えていましたが、ある考え方を知ってから劇的に試合運びが変わりました。
この記事では、僕が実践してきた「振り回される地獄」から抜け出すための具体的な戦術を、僕自身の経験を交えながら徹底解説します。
この記事を最後まで読めば、もう相手の思い通りにはさせない、ラリーの主導権を握るための賢い返し方が身につきますので、ぜひご一読ください。
なぜあなたは試合で左右に振り回されてしまうのか?3つの原因を徹底解説
また左右に振られて、拾うだけで終わってしまった…
相手の思い通りにコート中を走らされて、自分のテニスが全くできない。
本当に辛いですよね。
でも、あなたが振り回されてしまうのには、実はハッキリとした原因があるんです。
まずはその原因を3つ、一緒に見ていきましょう。
原因①:ボールが浅い|相手に時間と角度を与えてしまっている
まず1つ目の原因は、あなたの打つボールが浅いことです。
自分の打ったボールがサービスラインより手前に落ちてしまうと、相手は一気に攻撃モードになります。
コートの中にグッと踏み込んできて、そこから角度をつけたボールやドロップショットを自在に操ってくるのです。

こうなると、もう完全に後手に回ってしまいます。
必死にボールに追いついても、コートの外に追い出されて、次のボールはもっと厳しくなる。
気づけば、自分だけがヘトヘトに疲れているのに、相手は涼しい顔でポイントを重ねていく…そんな絶望的な展開になってしまうんです。
もちろん、相手のレベルが低ければ、浅いボールを打ってもミスしてくれて助かることもあるかもしれません。
しかし、試合で勝ち進んでいくと、必ず強い相手と当たることになります。
レベルが上がるほど、浅いボールはただのチャンスボールになってしまう。
この事実は、絶対に覚えておいてほしいポイントです。
浅いボールは、相手に
「どうぞ、好きなところに打ってください」
と、最高のチャンスボールをプレゼントしているようなものなのです。
原因②:コースを狙いすぎ|中途半端なボールは絶好のカウンターチャンス
プロの試合を見ていると、左右にボールを打ち分けて、早い展開でポイントが決まっているように見えますよね。
「あんな風に相手を振ってみたい!」
ラリー中に相手コートのオープンスペースが見えると、「よし、あそこに決めてやる!」と、つい厳しいコースを狙いたくなる気持ち、すごくよく分かります。
しかし、その気持ちのままにコースを狙ってしまうのが、実は大きな落とし穴なのです。
僕たちアマチュアがそれをやろうとすると、返って自分の首を絞めてしまうことが非常に多いのです。
なぜなら、コースを狙ったボールの威力や深さが少しでも甘くなると、相手にとっては絶好のカウンターチャンスになるから。

あなたが作った角度以上に、相手はもっと厳しい角度をつけて返してくる。
その結果、ボールを配給していたはずの自分が、逆にコート中を走り回るハメになってしまうのです。
角度をつけたショットは、エースを狙える可能性があると同時に、相手に強烈なカウンターの機会を与えてしまう「諸刃の剣」。
そのリスクを理解せずにコースを狙いすぎるのは、とても危険な行為なのです。
原因③:立ち位置が悪い|一歩目の遅れが守備範囲を狭める
3つ目の原因は、ボールを打った後の立ち位置(ポジショニング)が悪いことです。
例えば、「自分はバックハンドが苦手だから…」と、無意識のうちにコートのバックサイド寄りにポジションを取って、フォアハンドでカバーしようとしていませんか?
その気持ち、とてもよく分かります。
しかし、その苦手なショットをカバーしようとする意識が、相手に絶好の攻撃チャンスを与えてしまっているのです。
あなたがバックサイドに寄れば寄るほど、フォアサイドには広大なオープンコートが生まれます。
相手は、ただその広いスペースにボールを打つだけで、あなたを簡単に振り回すことができてしまうのです。
また、守備的な意識が強すぎて、ベースラインから2mも3mも下がって構えてしまうのも危険なサインです。
ボールをしっかり落として、腰より低い位置で打ちたいタイプのプレーヤーによく見られるのですが、ポジションが後ろになればなるほど、相手から打たれた角度のついたボールはより遠ざかってしまいます。
つまり、守備的に構えているつもりが、逆に自分の走る距離を増やしてしまっているのです。
良かれと思って取ったポジションが、実は相手を助け、自分を苦しめている。
これも、あなたが振り回されてしまう大きな原因の一つなのです。
もう振り回されない!ラリーの主導権を握るための具体的なボールの返し方
ここまで、左右に振られてしまう3つの原因を解説してきました。
「じゃあ、どうすればいいんだ!」
と思いますよね。
大丈夫です。
ここからは、もう相手の思い通りにさせないための、具体的なボールの返し方を解説していきます。
この戦術を理解すれば、あなたのテニスはもっと安定して、ラリーの主導権を握れるようになるはずです。
【最重要】基本は「センター返し」。自分から無理にコースを狙わない
左右に振られないための最もシンプルで、そして最も効果的な戦術。
それは、基本に忠実に「センターへ深く返す」ことです。
センター返しをすることで相手は思うように角度をつけられなくなります。

僕も昔は「自分がコースを狙わないと、先に相手に狙われてしまう」と本気で思っていました。
だから、いつも自分から先に仕掛けて、必死に角度をつけようとしていたのです。
しかし、それは大きな間違いでした。
ある試合で、どんなに良いボールを角度をつけて打っても、ことごとくカウンターを決められ、あっという間に0−3とリードされたことがありました。
「もうダメだ…」と諦めかけたその時、ふと気づいたのです。
「待てよ、自分がセンターに返されたボールを、角度をつけて返すのってすごく難しくないか?」
そこで僕は、戦術を180度変えました。
エースを狙うのをやめ、ただひたすら相手のセンターに深くボールを集めることに集中したのです。
すると、どうでしょう。
あれだけ自由に打ち込んできた相手が、みるみるうちにミスを連発し始め、気づけば逆転していました。
一見すると、相手のいるセンターに返すことは「悪手」のように思えますよね。
でも、一度自分の立場に置き換えてみてください。
体の正面に来た深いボールを、厳しいコースにコントロールするのは至難の業です。
「自分からオープンコートへ配球しない勇気」を持つこと。
これこそが、振り回される展開から抜け出すための、何より重要な第一歩なのです。
狙うべきコースはここだ!サービスラインより深く、センターややバック寄り
では、具体的にどこを狙って「センター返し」をすればいいのでしょうか。
僕が推奨するのは、「サービスラインよりも深く、センターだけど少しだけ相手のバックハンド寄り」のエリアです。

どこに打たれたも返す場所は同じです。

流れだとこのようになります。

まず「サービスラインより深く」というのは、これまでも解説してきた通り、浅いボールは相手にチャンスを与えてしまうからです。
深く返すことで、相手をベースラインの後ろに押し下げ、攻撃の時間を奪います。
そして、ここがポイントなのですが、ややバックハンド寄りを狙います。
なぜフォアではなくバックなのか。それには明確な理由があります。
- バックハンドを苦手とする選手が多い
- バックハンドは安定感はあっても、ショットの柔軟性やバリエーションでフォアに劣る
フォアハンドなら強引にコースを変えられる場面でも、バックハンドだとそれが難しいのです。
特に、体の中心に近い深いボールをバックで処理させられると、相手は窮屈な体勢になり、攻撃的なボールを打つことはほぼ不可能になります。
結果として、相手からは山なりの緩いボールや、威力の無いボールが返ってくる可能性がグッと高まるのです。
さらに、この戦術にはもう一つ大きなメリットがあります。
それは、「自分のプレーに迷いがなくなり、ミスが減る」ということです。
「次はどこに打とうか…」と考える必要がなくなります。
ただ、決まったコースに深く返すことだけに集中すればいい。
このシンプルさが、あなたのテニスを安定させ、凡ミスを劇的に減らしてくれるのです。
センターセオリーを理解して、守備を固めながらチャンスを待つ
同じところにボールを返し続けるのは、かなりの忍耐力が必要です。
しかし、その地味なラリーを貫くことで、確実に勝利は見えてきます。
この戦術は、一見すると守備的に見えるかもしれません。
でも、実はこれこそが最高の守備であり、攻撃への完璧な布石なのです。
では、どうやって守りから攻めに転じるのか。
その流れを説明します。
あなたがひたすらセンターへ深く返していると、相手に変化が訪れます。
最初はしっかり動いて打ち返してきますが、次第に
どうせまた同じところに来るだろう
と、足を動かすのをサボるようになるのです。
足が止まると、スイングは手打ちになります。
体重の乗っていない、威力の無いボールが返ってくるようになるでしょう。
たとえ強打してきても、角度がついていないので全く怖くありません。
そして、相手は単調なラリーに痺れを切らし、自分から無理なコースを狙ってミスをしてくれます。
こうなれば、あなたが攻めるまでもなくポイントが手に入ります。
さらに重要なのが、ここぞという時の攻撃です。
相手の足を止めておいて、甘いボールが来た瞬間に、初めてサイドのオープンスペースへ鋭く攻撃するのです。
ずっとセンターラリーに慣らされていた相手は、急なコース変更に一歩目の反応が必ず遅れます。
常にコースを打ち分けていると、相手もその配球に慣れてしまいます。
しかし、単調なラリーを続けた後の「ここぞ」という一撃は、相手にとって予測不能の一打となるのです。
これは、卓球のカットマンの戦術に似ています。
ひたすらカットで粘り強く守り、相手が根負けして甘いボールを打ってきた瞬間に、即座に攻撃に転じてスマッシュを決める。
この「プレーのグラデーション」こそが、得点の確率を飛躍的に高めるのです。
僕自身、この「基本はセンター、攻撃は迷わず角度をつける」という戦術を徹底してから、中途半端なプレーが劇的に減りました。
そして何より、攻撃と守備のスイッチの切り替えが、自分の中で明確にできるようになったのです。
守る時は徹底的に守り、攻める時は一気に攻める。
このメリハリが、あなたのテニスを一段階上のレベルへ引き上げてくれるはずです。
まとめ:シングルスで振り回されないためには、まずセンターを深く突け!
以上、テニスのシングルスで左右に振り回されてしまう原因と、その具体的な対策について解説しました。
最後に、今回の重要なポイントをもう一度おさらいしておきましょう。
- 左右に振られる3つの原因
- 原因①:ボールが浅い
- 原因②:コースを狙いすぎている
- 原因③:打った後の立ち位置が悪い
- もう振り回されないための具体的な戦術
- 基本は「センターへ深く返す」ことを徹底する
- 狙うコースは「サービスラインより深く、ややバックハンド寄り」
- 守備と攻撃のメリハリで「プレーのグラデーション」を作る
この戦術は、特別な才能やパワーがなくても、意識さえすれば誰でもすぐに実践できるのが最大のメリットです。
まずは次の練習から、遊びだと思って「センターへ深く、ややバック寄り」にボールを集めるラリーを試してみてください。
きっと、今までのように無駄に走らされることが減り、ラリーの中で自分が主導権を握っている感覚が掴めてくるはずです。
あなたのテニスが、もっと楽しく、もっと強くなることを心から応援しています!